株式会社ディーエムシーのコラムをご覧になっていただきありがとうございます。

株式会社ディーエムシーの田中です。

前回のコラムでは、電子記録債権の概要とその導入メリットについてご紹介しました。

今回は、お客様からよくご質問をいただく
「電子記録債権はファクタリングできるのか?」という点について、正確な情報をお伝えしたいと思います。

■ 電子記録債権は「ファクタリング」できない?

まず結論から申し上げると、電子記録債権はファクタリングの対象にはなりません
これは、電子記録債権の制度上、債権譲渡ではなく「記録の移転」によって効力を発生させる仕組みであるためです。

ファクタリングは「債権譲渡」を基本とする取引ですが、電子記録債権は譲渡という形式をとらないため、ファクタリングの法的枠組みとは一致しないのです。


■ 割引なら可能!金融機関や事業者による「でんさい割引」

ただし、割引という形での資金化は可能です。
これは、手形の割引と同様に、電子記録債権を金融機関や提携業者に持ち込むことで、満期日前に現金化する方法です。

具体的には、電子記録債権の記録機関である「でんさいネット」を通じて、下記のような割引取引が行われます。

  • 利用企業が保有するでんさいを、満期前にディーエムシーなどの割引業者が買い取る

  • 所定の割引料を差し引いた金額を即日~数営業日以内に受け取れる

  • 債務者側(取引先)に通知・同意を求めず、スムーズに実行可能


■ ファクタリングと割引の違いを理解しよう

区分 ファクタリング 電子記録債権の割引
対象債権 売掛債権など(通常の債権) 電子記録債権(でんさい)
形式 債権譲渡 記録移転+割引契約
法的性質 譲渡(民法) 割引(商取引)
通常の利用先 ファクタリング会社 金融機関・割引事業者

■ 実務上のポイント

「うちの売掛債権はファクタリングで資金化したい」
「でんさいを受け取ったが、資金繰りの都合で早期に現金化したい」

このようなケースでは、債権の種類に応じて、ファクタリングか割引かを使い分ける必要があります。

弊社ディーエムシーでは、通常のファクタリングだけでなく、電子記録債権の割引相談にも対応しております。
取引先との契約形態や資金ニーズに応じて、最適なご提案をいたします。


■ 最後に

電子記録債権は、紙の手形や売掛債権とは異なる制度です。
「ファクタリングと似ているが、実はまったく別の仕組み」ということを正しく理解することで、トラブルや手戻りを防ぐことができます。

少しでもご不明点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

引き続き、ディーエムシーでは皆様の事業を資金面からサポートできるよう、
分かりやすく・実務に即した情報提供を続けてまいります。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。