「インカムゲイン」および「キャピタルゲイン」というワードは投資分野において頻繁に聞かれるワードですが、投資家に限らず経営者も必ず知っておくべきキーワードと言えます。

この回では投資あるいは経営に深く関わるこの二つのワードを取り上げで、特徴や仕組み等を解説していきますので、ぜひ参考になさってください。

インカムゲインとは?

インカムゲインとは?

インカムゲインとは、安定的に、そして継続的に得られる利益のことです。

例えば大家さんであれば賃借人から毎月家賃の支払いを受けるでしょうから、これが安定的、継続的な収入となります。

株式投資をする人は株主として得られる配当が定期的に入りますから、これらはどちらもインカムゲインといえますね。

個人の投資家や不動産オーナーでなくとも、法人も株を買ったり、不動産経営をしたりするでしょう。

個人、法人問わず、インカムゲインは将来の収入がある程度確約されますから、個人であれば生活をより安定的にすることができ、法人であれば経営をより安定させることができます。

ただしインカムゲイン収入は変動することがあり、例えば株式の値動きや不動産投資であれば賃借人の入退去によって収入の増減がでることもあります。

安定的とは言っても、今の利益が将来にわたって必ず確保されるわけではありません。

また後述するキャピタルゲインと比べると、一度に得られる利益の額は大きくなく、利幅は小さいので一度に大きな儲けを出すことはできません。

キャピタルゲインとは?

キャピタルゲインとは?

キャピタルゲインとは資産を売却して得られる利益のことを言います。

勘違いされやすいですが、キャピタルゲインは売却金額のことではなく「売却益」を指すことを意識しましょう。

売却益はその資産を売って得られる正味の儲けのことです。

例えば10万円で購入した株式を15万円で売却すれば、差し引き5万円が正味の儲けとなり、これがキャピタルゲインとなります。

物品の仕入れ販売をしている事業者であればすぐにイメージが湧くと思いますが、仕入れなどにかかる経費を差し引き、手元に残る正味の儲けがキャピタルゲインということです。

株式であればできるだけ安いタイミングで買って、値上がりしたタイミングで売ることでより大きなキャピタルゲインを得ることができます。

不動産などの他の資産についても同様で、土地の値動きを予想して、安く買ったうえで値上がりしたタイミングで売れば値上がり分の売却益を得ることが可能です。

よく安く買って高く売ることができれば、一度の取引で大きな儲けを狙うことができるわけです。

インカムゲインのように安定的、定期的ではなく、キャピタルゲインは一度のチャンスにかける点で違う特徴を持ちます。

インカムゲインがお勧めな人

インカムゲインがお勧めな人

投資あるいは事業目線で見た場合、インカムゲインがおススメできる人はどのような人でしょうか。

ここでは主に個人をメインに考えますが、インカムゲインはあまり手間をかけずに継続的な収入を得られるので、本業を持っている人が副業として利益の獲得を狙うのに適していると考えることができます。

投資対象にもよるので一概には言えませんが、例えばサラリーマン大家さんが人気なように、不動産投資は一度借り手がついてしまえば半自動的に家賃収入が得られるので、普段忙しい方も手間をかけずに収入を増やすことが可能です。

大きな利益を得るために多くの時間をかけるというよりは、儲けは少なくてもいいからできるだけ労をかけずに、安定した収入を増やしたいという人にお勧めできます。

株や証券投資も同じことが言えますが、不動産なら不動産、証券なら証券の知識がないと思うような収入は得られないでしょう。

キャピタルゲインがお勧めな人

キャピタルゲインがお勧めな人

こちらはちまちまとした収入ではなく、一度の取引で大きな利益を望むキャピタルゲイン狙いの取引となります。

より多くの時間を使い分析を行うことで戦略的な判断が可能になるので、どちらかと言うと副業というよりは本業として考えている人の方が性に合うのではないでしょうか。

もちろんこちらも一概には言えませんが、もし元本割れを起こしてしまうと大きな損をしてしまうことになるので、投資対象を見る目はかなり重要になってきます。

値動きの読みを誤り、100万円で購入した株が80万円に値下がりしてしまうと売るに売れません。

無理に売れば20万円の損が確定してしまいます。

不動産の分野ではコロナ事情の元でオフィス不動産の需要が激減した時期がありました。

あの時はオフィス不動産に手を出した投資家が大損をしたというニュースも見聞きしました。

一度の成功が大きなチャンスを生む反対に、一度の失敗が大きな損を生んでしまうので、取引には慎重さが求められます。

できるだけバランスを考えた投資を

できるだけバランスを考えた投資を

インカムゲインとキャピタルゲインはどちらも収入や利益につながりますが、投資目線で見ると大きな違いがあるものです。

その特徴に応じてどちらが性に合うかは人それぞれですが、できればどちらか一択ではなく、投資資産をバランスよく組み合わせた構成を考えるのがベストです。

どちらかが上手くいかなくても、他方で利益を確保できれば完全なマイナスを避け、ダメージを抑えることができます。

法人企業として行う場合は事業目的から対象が絞られることもあるでしょうが、個人の場合はインカムゲインとキャピタルゲインを組み合わせることでリスクを避けた投資が可能になります。

短期間では難しいと思いますが、勉強会などを利用して投資に関するリテラシーを広げることができれば良いですね。

まとめ

まとめ

本章では「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」という二つのワードを取り上げて、その意味や特徴、仕組みなどを見てきました。

安定した継続収入を指すインカムゲイン、そして売却益を指すキャピタルゲインの意味や特徴を押さえることができたでしょうか?

投資や事業として行う場合に、両者の意味や特徴、違いを知っておくことは非常に重要です。

個人の投資家も、あるいは法人の事業者であっても、損をしない取引ができるようにしたいものですね。