海外の映画などを見ていると小切手が登場するシーンがよく見られますが、日本の映画で小切手が登場するシーンはあまりないように思います。

昨今はBtoCだけでなくBtoBでもキャッシュレスが導入されるようになっているので、国内で小切手を利用するシーンは減っている印象です。

それでも小切手の流通はまだ続いているので、もし自分が小切手を受け取った場合はどうやって現金化すればよいのか知っておきたいものです。

この回では小切手を現金化する方法と注意点を解説していきますので、参考になさってください。

小切手の種類と現金化に関わる特徴を確認

小切手の種類と現金化に関わる特徴を確認

ここでは小切手の種類と現金化の際に関わってくる種類別の特徴を押さえていきます。

①持参人払式小切手

このタイプの小切手は券面に「上記の金額をこの小切手と引き換えに持参人へお支払いください」と書かれています。

金融機関に持参した人が換金できるため、紛失すると大変ですから管理は慎重にしてください。

このタイプは現金で受け取ることもできますし、口座振り込みの形で現金化することもできます。

②記名式小切手

上記1のタイプの小切手で「持参人」の個所が二重線で抹消され、特定の人物の名前を記載したものを記名式小切手と言います。

このタイプは記載された人物だけが換金できるため、紛失しても勝手に換金されるリスクがありません。

その代わりに金融機関に持ち込んだ際には以下で説明する本人確認が必要になります。

③線引小切手

小切手上部に二重線が書かれたものを線引き小切手といい、このタイプは換金の際に現金ではなく振込で受け取ることになります。

口座振り込みですから記録に残るので、不正取得による被害をけん制できます。

線引き小切手のうち、二重線の間に特定の金融機関の名前が書かれたものを特定線引き小切手といい、記された金融機関の口座でしか受け取ることができないためさらに安全性が高くなります。

④先日付小切手

少し特殊と言えるのがこのタイプで、小切手の実際の振出日よりも将来の日付を振出日に設定したものを先日付小切手と言います。

小切手の振出人は自身の当座預金の口座に資金が無い状態で換金されてしまうと不渡りを起こしてしまいます。

そこで、現状で口座に資金が無い場合などに、将来の日付を書いて「換金はこの日よりも後にしてね」という意思表示をするのが先日付小切手です。

この日付け前でも換金を試みることは可能ですが、資金が無ければ不渡りとなって相手に迷惑がかかるので、銀行に持ちこむのはその日付よりも後にするのが無難です。

どこの金融機関で現金化するのか?

小切手には支払金融機関の名前が書かれています。

支払金融機関は小切手の振出人の当座預金を管理する金融機関で、ここに小切手を持ち込んで現金化するのが一番スムーズです。

支払金融機関が遠方で出向けなかったり、手間である場合は身近な金融機関に小切手を持ち込むこともでき、この場合は取り立ての依頼をするという形になります。

日本国内では手形交換所を介して他の金融機関が取り立てを代行できる仕組みがあるので、この点は便利なのですが、取り立てを依頼する場合は手数料が発生するので注意が必要です。

本人確認と手数料について

本人確認と手数料について小切手券面に書かれた支払い金融機関に直接持ち込んで現金化する場合は基本的に手数料はかかりません。

それ以外の金融機関に持ち込んで取り立てを依頼する場合に手数料がかかりますが、金額は金融機関によって異なるので確認が必要です。

多くの金融機関では手数料として千円前後かかることが多いので目安にしてください。

またケースによっては本人確認も必要になります。

まず上で説明した記名式小切手を持ち込んだ場合で、運転免許証などの本人確認書類の提示を求められるので忘れずに持参しましょう。

また窓口で現金として受け取る場合で金額が10万円を超える場合も本人確認を求められます。

心配であれば本人確認が必要かどうか、小切手を持ち込む予定の金融機関に事前に問い合わせておけば安心です。

換金期限に注意!

換金期限に注意!小切手の扱いで注意が必要なのが換金の期限についてです。

小切手には「支払呈示期間」という概念があり、小切手の振出日の翌日から10日と定められています。

原則この期間に金融機関に持ち込んで現金化する必要があるので、期間としては長くないことを意識しておいてください。

なお支払呈示期間の最終日が金融機関の休業日だった場合は、翌営業日が期限となります。

ただし、支払呈示期間の途中に休業日がある場合、その休業日については考慮されない(期限は伸びない)ことに留意が必要です。

小切手にはもう一つ、小切手自体の有効期限があります。

振出から6か月は有効期限内ですので、支払呈示期間が過ぎても有効期限内であれば金融機関は換金に応じてくれるはずです。

うっかり支払呈示期間を逸してしまってもこの有効期限内に換金すれば一件落着ですが、基本的には支払呈示期間内に換金を済ませるようにしましょう。

まとめ

まとめこの回では小切手を現金化する方法と注意点について見てきました。

小切手は色々と種類があり、性質が異なることで現金化の方法にも違いが出てきます。

小切手の種類によっては、窓口で現金で受けとれず口座振り込みとなることがあったり、本人確認が求められることもあります。

少し特殊な先日付小切手に関しては、振出人が指定した振出日よりも後に現金化するようにしましょう。

注意点としては支払い金融機関以外に持ち込んだ場合は手数料がかかることと、現金化には一定の期限があるので、期限内に現金化するようにしてください。