—「注文が入った瞬間」に資金調達ができる新しい手法—

 

株式会社ディーエムシーのコラムをご覧になっていただきありがとうございます。
本日は、数あるファクタリングの中でも特に注目度が高まっている 「注文書ファクタリング」 について、その仕組み・メリット・注意点をわかりやすく解説します。

中小企業、とくに建設業・製造業・運送業・広告業などでは、
「仕事はあるのに、先に必要な仕入れ・外注費が払えない」
という資金繰りの壁にぶつかるケースが多く見られます。

そんな時に力を発揮するのが 注文書ファクタリング です。
売掛金発生前、つまり「まだ請求書を切っていない段階」で資金調達できる、非常に強力な手法として広まりつつあります。

■1.注文書ファクタリングとは?基本の仕組みを理解する

注文書ファクタリングとは、取引先からの 「注文書(発注書)」をもとに資金を前倒しで調達できるサービス のことです。
通常のファクタリングは「納品後に請求書を発行し、売掛債権が発生してから」利用しますが、注文書ファクタリングは “売掛債権が発生する前” に資金調達できます。

仕組みはシンプルです。

  1. 取引先から注文書を受け取る
  2. 事業者がその注文書をファクタリング会社に提出
  3. ファクタリング会社が注文内容・取引先の信用力を審査
  4. 問題なければ請求書発行前でも資金を先に提供
  5. 後日、事業者が納品・請求し、売掛金が入った後にファクタリング会社へ返済

つまり、注文書を担保にした「先払い資金調達」です。

建設工事・製造の加工品・業務委託・広告案件など、納品前に仕入れや外注コストがかかる業種に非常に適しています。

■2.なぜ今、注文書ファクタリングが

中小企業に選ばれているのか

近年、企業の資金繰りに関する悩みは多様化し、

  • 銀行融資の審査厳格化
  • 仕入れ・外注費の高騰
  • 下請け企業への価格転嫁不足
    などにより、「仕事は十分にあるが運転資金が足りない」企業が増加しています。

特に建設・製造業では、
材料費を払う → 外注を払う → 納品 → 支払いサイト60〜90日
という構造が多く、資金繰り圧迫の要因となります。

注文書ファクタリングは、この長い資金サイクルを抜本的に改善し、
注文が入った瞬間に資金化できる”
という点が評価され、利用企業が急増しています。

■3.一般的なファクタリングとの違い

注文段階でお金が動く理由

通常のファクタリングは「売掛債権(請求書)」が存在しないと利用できません。
一方で、注文書ファクタリングは以下の要素により、売掛金が発生する前の段階でも資金化が可能になります。

(1) 注文書が“将来の売掛債権”になるため

注文書は法律上「債権」ではありませんが、ファクタリング会社は、取引先の継続性・実績・信用力を確認し、将来必ず売掛金が発生すると判断できる案件 は前倒しで資金化します。

(2) 審査対象は“事業者”ではなく“取引先の信用力”

中小企業にとっては大きなメリットです。事業者が赤字・債務超過でも、発注企業の信用力が高ければ資金化できることがあります。

(3) 掛け目(掛目)によるリスク管理

注文書金額の100%が出るわけではなく、通常は 50〜80% 程度となります。
これによりファクタリング会社はリスクをコントロールしつつ支援を行っています。

■4.注文書ファクタリングのメリット

注文書ファクタリングには、以下のような大きな利点があります。

① 納品前でも資金が手に入る

仕入れ・材料費・外注費を先に支払う必要がある業種では、資金繰りの改善効果が絶大です。

② 融資が通らない企業でも利用できる可能性が高い

審査の重心は発注企業の信用力。
そのため、赤字や債務超過の企業でも利用できるケースがあります。

③ 即日対応が可能(最短数時間)

案件内容と注文書が揃っていれば、スピード審査が可能。
急ぎの現場や大量発注にも対応しやすい。

④ 手数料が固定化しやすい

売掛ファクタリングに比べ、案件の見通しが立てやすいため、手数料が比較的安定する傾向があります。

⑤ 買掛・外注への支払い遅延を防げる

信用力の低下・取引停止などのリスクヘッジにもつながります。

■5.利用する際のデメリット・注意点

一方で、注文書ファクタリングには気をつけたいポイントもあります。

① 発注企業が倒れると資金化した側が返済リスクを負う

将来債権を前倒しで資金化しているため、発注企業の倒産リスクが最も大きな注意点です。

② 手数料は銀行融資に比べ高い

あくまで「金融サービス」のため、銀行融資と単純比較はできませんが、
一般的には 5〜20% 程度になるケースもあります。

③ 注文書の形式が曖昧だと資金化できない

メールベース、口頭発注、見積書のみ、などは利用できない可能性があります。

④ 不正案件(架空発注)と判断されると審査落ち

業界的に厳しくチェックされるため、実態のない注文書は絶対にNGです。

■6.申し込みから資金化までの流れ

注文書ファクタリングの一般的な流れは以下の通りです。

  1. 発注書の入手・内容確認
  2. ファクタリング会社へ申し込み
  3. 案件審査(発注企業の信用調査)
  4. 契約締結
  5. 資金の入金(当日〜2日程度)
  6. 納品・請求書発行
  7. 売掛金入金後に返済

 

特に重要なのは 「審査対象が取引先にある」 という点。
中小企業にとっては非常に利便性が高い仕組みです。

■7.どんな企業が使っている?典型的な活用シーン

注文書ファクタリングは、特に以下のような業界で多く利用されています。

  • 建設業(材料費・外注費が先行)
  • 製造業(部材仕入れが必要)
  • 運送業(繁忙期の求人・下請け費用)
  • IT・システム開発(外注エンジニアの確保)
  • 広告代理店・デザイン業(制作費の前払い)

共通しているのは、
「案件は取れたのに手元資金が不足する」
という構造的な課題を抱えている点です。

注文書ファクタリングは、この“資金ギャップ”を埋め、安定した生産体制を維持するための有効手段として機能します。

■8.まとめ

— “仕事があるのに資金がない”を解決する実践的な選択肢

注文書ファクタリングは、これまで「資金が足りないために受注できなかった案件」を受注できるようにする、非常に実践的な資金調達ツールです。

銀行融資と違い、

  • 赤字でも利用可能な場合がある
  • 発注企業の信用力を重視してもらえる
  • 納品前でも資金が得られる
    という特性は、中小企業にとって大きな支えとなります。

 

株式会社ディーエムシーでは、ファクタリング・補助金・融資など、企業のあらゆる資金ニーズに寄り添ったサポートを行っております。

資金繰りでお困りの際は、お気軽にご相談ください。