株式会社ディーエムシーのコラムをご覧になっていただきありがとうございます。

近年、資金調達方法としてファクタリングを利用する企業が急増しています。特に建設業、運送業、製造業、IT業界など、入金サイトが長い業種では、売掛金を早期資金化できるファクタリングは非常に有効な手段として注目されています。しかし、その一方で近年問題視されているのが「債権の二重譲渡」です。

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社へ売却することで資金化する仕組みですが、その売掛債権を別会社へ再度売却してしまう「二重譲渡」が業界内で大きな問題となっています。特に2社間ファクタリングでは売掛先へ通知されないケースも多いため、ファクタリング会社側にとって大きなリスク要因となっています。

また、二重譲渡は単なる契約違反では済まない場合があります。ケースによっては詐欺や横領など刑事問題へ発展する可能性もあり、実際に逮捕事例や訴訟トラブルへ発展しているケースも存在します。一方で、利用企業側が「二重譲渡になるとは知らなかった」「資金繰りに追い込まれていた」というケースも少なくありません。

さらに現在では、ファクタリング会社側もコンプライアンス強化を進めており、二重譲渡防止対策として審査厳格化や債権譲渡登記確認を行うケースが増えています。その結果、以前よりファクタリング審査自体も慎重化する傾向が強まっています。

本記事では、債権の二重譲渡とは何か、なぜ問題になるのか、実際に起こるトラブル、ファクタリング会社側の対策、利用企業が絶対注意すべきポイント、そして安全に資金調達するための考え方まで、実務目線で詳しく解説していきます。

■1. 債権の二重譲渡とは何か? なぜ大問題になるのか

まず「債権の二重譲渡」とは何かを正しく理解する必要があります。

ファクタリングでは、企業が持っている売掛金(売掛債権)をファクタリング会社へ売却します。例えば100万円の請求書をファクタリング会社へ譲渡し、90万円を先に受け取るといった仕組みです。この時点で、その売掛債権の権利はファクタリング会社側へ移転しています。

しかし問題となるのが、その“既に譲渡済みの売掛債権”を、別のファクタリング会社へ再度売却してしまうケースです。これが「二重譲渡」と呼ばれる行為です。

例えば、
A社へ100万円の売掛債権を売却

その後、同じ100万円債権をB社へも売却
という状態です。

当然ながら、実際に存在する売掛債権は1つしかありません。しかし、複数のファクタリング会社へ同じ債権を譲渡してしまうことで、大きなトラブルへ発展するのです。

特に問題となりやすいのが「2社間ファクタリング」です。

2社間ファクタリングでは、売掛先企業へ通知せずに契約するケースも多くあります。そのため、利用企業側が別会社へ同じ請求書を持ち込んでも、ファクタリング会社側がすぐ把握できない場合があります。

つまり、
「まだバレていないから大丈夫」
と考えてしまう利用者がいるのです。

しかし実際には、売掛金の入金段階で必ず問題化します。

例えば、売掛先企業が100万円を支払った場合、そのお金をどちらへ渡すのかという問題が発生します。当然、双方のファクタリング会社が「自社の債権だ」と主張するため、訴訟や損害賠償問題へ発展するケースもあります。

また、ファクタリング会社側にとって二重譲渡は極めて重大なリスクです。

なぜなら、ファクタリングは「売掛債権が存在すること」を前提に資金を支払っているからです。その債権が既に別会社へ譲渡済みだった場合、回収不能リスクが一気に高まります。

特に現在は、ファクタリング市場拡大に伴い、二重譲渡トラブルも増加傾向にあると言われています。背景には、
・資金繰り悪化
・多重利用
・悪質業者
・知識不足
などがあります。

また、二重譲渡は民事問題だけでは終わらないケースもあります。

例えば、
・意図的に隠していた
・最初から騙す目的だった
・架空債権だった
などの場合、詐欺罪が成立する可能性もあります。

つまり、「資金繰りが苦しかったから」という理由だけでは済まされないケースもあるのです。

さらに現在は、ファクタリング会社同士でも情報共有や審査強化が進んでいます。そのため、一度問題を起こすと業界内ブラック扱いになり、今後の資金調達が極めて難しくなるケースもあります。

つまり、債権の二重譲渡は単なる契約違反ではなく、“会社信用そのものを失う危険行為”なのです。

■2. なぜ二重譲渡は起きてしまうのか? 建設業・運送業で多い理由とは

債権の二重譲渡は、「最初から騙そうとしていた悪質行為」というケースもありますが、実際には“資金繰り悪化”から追い込まれて発生するケースも少なくありません。

特に多いのが、
・建設業
・運送業
・製造業
など、入金サイトが長い業界です。

これらの業界では、
・材料費
・外注費
・燃料代
・人件費
などを先払いする必要があります。

しかし実際の入金は、
・翌月末
・翌々月
・90日後
など長期化するケースも多く、慢性的にキャッシュ不足へ陥りやすい構造になっています。

例えば建設業では、
大型案件受注

材料費先払い

外注費支払い

工期遅延

入金遅れ
という流れで資金ショート寸前になるケースも少なくありません。

その結果、
「とにかく今日の支払いを乗り切りたい」
という状況に追い込まれる経営者もいます。

ここで問題となるのが、“既に売却済みの請求書”を再度別会社へ持ち込んでしまうケースです。

特に2社間ファクタリングでは売掛先へ通知しないため、
「まだバレないだろう」
と考えてしまうケースがあります。

また近年は、オンラインファクタリング増加によって、複数社へ同時申し込みしやすくなっています。

以前であれば対面契約中心だったため、一定の抑止力がありました。しかし現在は、
・LINE申込
・オンライン契約
・即日審査
なども増えており、気軽に複数社へ申し込みできる環境になっています。

さらに問題なのが、「二重譲渡になると理解していないケース」です。

例えば、
・請求書コピーなら問題ないと思った
・別会社なら大丈夫と思った
・契約成立前だから問題ないと思った
など、知識不足からトラブルになるケースもあります。

しかし実際には、契約成立時点で債権譲渡は有効になります。そのため、別会社へ再度売却すると重大問題になるのです。

また、悪質ファクタリング業者が背景にいるケースもあります。

例えば、
・高額手数料
・契約後減額
・追加費用請求
などによって、利用企業側が資金不足へ追い込まれ、別会社利用を繰り返すケースもあります。

つまり、二重譲渡問題は単純なモラル問題だけではなく、“資金繰り構造問題”とも深く関係しているのです。

そのため現在では、ファクタリング会社側も、
・通帳確認
・過去利用履歴
・債権譲渡登記確認
・取引先確認
などを強化しています。

特に建設業界では、
・出来高請求
・部分請求
・重層下請構造
など特殊事情もあるため、以前以上に慎重審査されるケースが増えています。

つまり現在のファクタリング業界では、「透明性」が非常に重要になっているのです。

■3. 二重譲渡が発覚するとどうなるのか?

債権の二重譲渡は、「バレたら契約解除されるだけ」と軽く考えてしまう方もいます。しかし実際には、会社経営へ極めて大きなダメージを与える可能性があります。

まず最初に起こるのが、ファクタリング会社からの一括返還請求です。

例えば、
A社とB社へ同じ債権を譲渡していた場合、当然どちらかは回収不能リスクを負うことになります。そのため、
・契約解除
・損害賠償請求
・即時返還請求
などへ発展するケースがあります。

また、ファクタリング会社側が悪質性を強く感じた場合、弁護士対応へ進むケースもあります。

特に、
・意図的隠蔽
・虚偽説明
・架空請求書
などがある場合は、刑事告訴検討されるケースもあります。

さらに危険なのが、「業界内信用喪失」です。

現在はファクタリング会社同士でも、
・反社チェック
・事故情報共有
・不正利用警戒
などを行うケースがあります。

そのため、一度重大トラブルを起こすと、
・新規利用不可
・審査否決
・条件悪化
など、今後の資金調達が極めて困難になる可能性があります。

また、銀行融資へも影響するケースがあります。

例えば訴訟化や信用問題化すると、
・決算書注記
・信用情報悪化
・金融機関評価低下
などにつながる可能性があります。

さらに、取引先へ発覚するケースもあります。

特に3社間ファクタリングや訴訟段階になると、売掛先企業へ事情説明が必要になるケースもあります。

その結果、
・信用低下
・取引停止
・契約解除
などへ発展する危険もあるのです。

つまり、二重譲渡問題は単なる“一時資金不足対応”では済まず、“会社存続リスク”へ発展する可能性がある極めて危険な行為なのです。

■4. ファクタリング会社は二重譲渡をどう防いでいるのか?

近年、ファクタリング市場拡大に伴って、ファクタリング会社側も「二重譲渡対策」を非常に重視するようになっています。特に現在は、オンラインファクタリング増加によって申込み件数が増えた一方、不正利用リスクも高まっているため、以前より審査が厳格化しているケースも少なくありません。

まず、最も代表的な対策が「通帳確認」です。

ファクタリング会社は、単純に請求書だけを見るわけではありません。実際には、
・過去の入金履歴
・売掛先からの定期入金
・取引継続性
などを細かく確認します。

例えば、毎月同じ取引先から安定入金がある場合、実在取引として信用性が高まります。一方で、
・突然高額請求が出てきた
・過去取引履歴が見えない
・入金実績が確認できない
などの場合は、慎重審査になるケースがあります。

また、「債権譲渡登記確認」も重要な対策です。

債権譲渡登記とは、売掛債権を譲渡した事実を法務局へ登記する制度です。これによって、
「既に他社へ譲渡されている債権ではないか」
を確認しやすくなります。

特に法人利用時では、2社間ファクタリングで登記を求める会社もあります。

もちろん、登記が必須ではないケースもありますが、近年は二重譲渡リスク対策として重視される傾向があります。

また現在では、ファクタリング会社同士で不正利用情報共有を行うケースも増えています。

例えば、
・過去トラブル履歴
・不自然な申込履歴
・多重申込傾向
などを警戒しているケースがあります。

さらに近年は、AI与信システムを導入する会社も増えています。

例えば、
・請求書整合性
・通帳履歴分析
・入金サイクル分析
・商流分析
などをシステム上で確認し、不自然な点を検知する仕組みもあります。

特に建設業や運送業などでは、
・出来高請求
・部分請求
・重層下請構造
など特殊事情があるため、以前以上に慎重な確認が行われています。

また、売掛先へ「債権確認」を行うケースもあります。

特に3社間ファクタリングでは、
・請求内容確認
・支払予定確認
・契約確認
などを直接行うため、二重譲渡リスクは低くなります。

一方で2社間ファクタリングは、売掛先へ通知しないため、どうしてもリスクが高くなります。そのため、
・手数料高め
・審査厳格化
・登記要求
などが増えているのです。

つまり現在のファクタリング業界では、「スピード重視」だけではなく、“透明性”や“信頼性”が非常に重要視されているのです。

■5. 二重譲渡を防ぐために利用企業が絶対注意すべきこと

債権の二重譲渡問題は、ファクタリング会社だけの問題ではありません。むしろ利用企業側が正しい知識を持つことで、多くのトラブルは防ぐことが可能です。

まず最も重要なのは、「既に譲渡した債権は自社のものではない」という認識を持つことです。

ファクタリング契約が成立した時点で、その売掛債権の権利はファクタリング会社側へ移転しています。

つまり、
・別会社へ再度売却
・担保利用
・二重申込
などは非常に危険な行為になります。

また、「契約途中だから大丈夫」という誤解も多くあります。

例えば、
・仮審査だけと思っていた
・入金前だから問題ないと思った
・契約書をよく読んでいなかった
などのケースです。

しかし実際には、電子契約成立時点で譲渡効力が発生するケースもあります。そのため、契約内容確認は極めて重要です。

また、資金繰り悪化時ほど「焦って複数申込」しやすくなります。

例えば、
・今日支払いがある
・職人給与が払えない
・材料費が足りない
など切迫した状況では、冷静な判断が難しくなるケースもあります。

しかし、その場しのぎで複数社へ同じ請求書を出してしまうと、後からさらに大きな問題へ発展する危険があります。

特に現在は、ファクタリング会社側も確認体制を強化しているため、
「バレないだろう」
という考え方は非常に危険です。

また、資金繰りそのものを改善する視点も重要です。

例えば、
・利益率管理
・原価見直し
・支払いサイト交渉
・元請分散
・銀行融資併用
など、根本改善を進めない限り、慢性的資金不足状態は続いてしまいます。

さらに、悪質業者へ注意することも重要です。

中には、
・強引契約
・契約説明不足
・高額手数料
・違法契約
などを行う業者も存在します。

特に、
「他社利用中でもOK」
「何重でも資金化可能」
などをうたう業者には十分注意が必要です。

優良ファクタリング会社ほど、
・契約内容説明
・リスク説明
・譲渡範囲説明
などを丁寧に行います。

つまり利用企業側も、“正しい知識を持つこと”が最大の防止策になるのです。

■6. 債権の二重譲渡は会社経営を崩壊させる危険がある

債権の二重譲渡問題が本当に怖いのは、「その場の資金不足」だけでは終わらない点です。

例えば、
・返還請求
・損害賠償
・訴訟
・信用失墜
などへ発展すると、会社経営そのものへ深刻な影響を与える可能性があります。

特に建設業や運送業では、「信用」が極めて重要です。

例えば、
・元請との信頼
・協力会社との関係
・金融機関評価
・取引先信用
などは、長年かけて積み上げてきたものです。

しかし、二重譲渡問題が表面化すると、
・資金繰り不安
・コンプライアンス不安
・支払い能力不安
などを取引先へ与える可能性があります。

その結果、
・取引停止
・受注減少
・銀行融資停止
などへつながる危険もあります。

また、ファクタリング会社側から法的措置を取られると、弁護士費用や対応負担も発生します。

さらに近年は、SNSやネット情報拡散によって、企業イメージ悪化が広がるケースもあります。

つまり、二重譲渡は単なる「契約トラブル」ではなく、“会社存続リスク”へ直結する可能性があるのです。

また、経営者自身の精神的負担も非常に大きくなります。

例えば、
・いつ発覚するか不安
・取引先へ知られる恐怖
・資金返還プレッシャー
・訴訟リスク
など、精神的に追い込まれるケースも少なくありません。

特に中小企業経営では、「社長個人」が全責任を抱え込むケースも多いため、問題が長期化すると経営判断そのものへ悪影響を与えることもあります。

だからこそ重要なのは、
“二重譲渡を絶対にしない”
という意識だけではなく、
“二重譲渡しなくても済む経営体制”
を作ることなのです。

例えば、
・利益率改善
・資金繰り予測
・金融機関連携
・早期相談
などを行うことで、危険な状況を回避できるケースもあります。

現在のファクタリング市場では、以前以上にコンプライアンスが重視されています。そのため、透明性ある経営と正しい資金調達が、今後ますます重要になっていくでしょう。

■7. ファクタリングは「正しく使えば有効な資金調達手段」

ここまで債権の二重譲渡リスクについて解説してきましたが、重要なのは「ファクタリング自体が危険」というわけではないという点です。

実際、ファクタリングは、
・売掛金早期資金化
・入金サイト短縮

・急な支払い対応
・大型案件対応
など、多くの企業にとって非常に有効な資金調達手段です。

特に建設業や運送業のように、
・入金サイトが長い
・先払い負担が大きい
・大型案件で資金が必要
などの業界では、適切に活用することでキャッシュフロー改善へ大きく役立ちます。

問題なのは、
・無理な多重利用
・慢性的赤字補填
・契約理解不足
・悪質業者利用
などによって、利用方法を誤るケースです。

また現在は、
・AI審査
・電子契約
・オンライン完結
など、利便性向上も進んでいます。

その一方で、
・透明性
・コンプライアンス
・契約理解
も以前以上に重要視されています。

つまりこれからのファクタリング利用では、
「とにかく早く資金化」
だけではなく、
“安全に、継続可能な形で使う”
視点が必要なのです。

また、経営者側も、
・利益率管理
・原価管理
・資金繰り予測
・銀行融資併用
など、総合的な資金戦略を持つことが重要です。

ファクタリングはあくまで“経営を支える手段”であり、根本的な経営改善そのものではありません。

だからこそ、
・正しい知識
・適切な利用
・信頼できる会社選び
が極めて重要になるのです。

■株式会社ディーエムシーからの挨拶

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

債権の二重譲渡は、企業信用や経営継続へ大きな影響を与える非常に重要な問題です。しかし、正しい知識を持ち、適切にファクタリングを活用することで、資金繰り改善へつなげることは十分可能です。

株式会社ディーエムシーでは、お客様の状況や業種特性を踏まえながら、安全かつ適切な資金調達をご提案しております。単なる資金化だけではなく、「経営改善につながるファクタリング」を重視し、実務目線で丁寧にサポートしております。

資金繰りでお悩みの企業様、ファクタリング利用をご検討中の経営者様は、ぜひ一度株式会社ディーエムシーへご相談ください。専門スタッフが誠実に対応させていただきます。