資金調達の手段としては融資や借り入れを思い浮かべる方が多いと思いますが、当然ながら借りたお金は利子を付けて返さなくてはなりません。
返済が必要な資金を借りることは安定した事業運営に支障を生じさせる要因になるので、できれば避けたいのが本音ですよね。
返済の必要が無い資金調達方法としてはクラウドファンディングを検討することができ、ハードルは高いものの、うまくすればリスクなく資金を確保することができます。
本章ではクラウドファンディングの基本的な仕組みやメリット、デメリットなどについて解説しますので参考になさってください。
目次
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングは近年注目されている資金調達法で、インターネットを介して広く一般の個人や団体等から少額ずつの資金提供を受けることができます。
一人頭が提供する金額は小さいため、必要金額を調達するには多くの人からの援助を受ける必要がありますが、逆に言うと資金提供を行う側は小額から参加することができるので、気軽に参加できるのが魅力です。
間口を広く持ち、できるだけ多くの人の賛同を得て資金の提供を受けるというのがクラウドファンディングの特徴の一つです。
資金の提供を受ける企業は、自社が取り組みたい事業内容を公表し、その目的や意義に賛同した人や団体が小口の資金を提供します。
クラウドファンディングで得られた資金は基本的に返還する必要がなく、その代わりに資金の提供者に対して別の見返りを設定するのが普通です。
例えば提供を受けた資金で開発した商品やサービスの一部を無料あるいは安価で提供し、資金提供者に満足を得てもらいます。
事業内容が社会的意義の強いものであったり、地元に対して大きな貢献をするような内容の場合、リターンを不要とする資金提供を募ることも不可能ではありません。
ただし、リターンを設けるか否かに関わらず、強い魅力のある事業内容でなければ興味を引き付けることができないので、クラウドファンディングによる資金調達は一般的に難度が高くなります。
クラウドファンディングのメリット
ここでは資金調達の手段としてクラウドファンディングを利用する場合のメリットを見ていきます。
赤字でも問題ない
クラウドファンディングは資金提供者が返済リスクを考える必要がないので、融資における審査のように財務状況が問題になることはありません。
事業内容に魅力があれば興味を引き付けることができるので、赤字であっても資金確保の道が開けます。
宣伝効果を期待できる
クラウドファンディングを利用する場合、通常は下で説明するようにプラットフォームを利用するので、自社にリソースが無くても最低限の宣伝効果を得られます。
この他に、面白い取り組みは地元の新聞や情報誌、テレビ等で取り上げられることも多いので、さらなる宣伝効果を期待できます。
スタートアップ事業に相性が良い
例えば学生さんが在学中や卒業直後に起業する場合など、事業経験のバックグラウンドが全くない状態でビジネスを始めるケースでは、お金もコネも経験もない状態から始めることになります。
そのようなスタートアップ時の資金調達にクラウンドファンディングはとても相性が良く、魅力のあるアイデアやプランがあれば経営経験がなくても市場から資金を引きこめます。
リスクがほとんどない
面白いアイデアがあるけれど、絶対に成功させる自信があるわけではないという場合、借り入れや融資で多額のお金を融通することに大きな不安を感じると思います。
代表者保証なども求められますから、返済が必要な資金調達は大きなリスクを背負うことになります。
クラウドファンディングは目標額に達すればその事業から生じる何らかの利益を見返りにすればよいだけですし、万が一目標額に達しなければそれまで集めた分を返金するだけで済むので、リスクなくビジネスチャンスを掴むことができます。
クラウドファンディングのデメリット
次にデメリット面を見てみます。
目標額に達しないことも多い
設定した目標額に達すれば提供を受けた資金を元手にプロジェクトを進められますが、目標額に達しない場合はそれまで集めた資金を返金しなければならず、目標とする事業を進めることができません。
実際のところ、理念や意義に賛同してくれる資金提供者を多数集めるのは容易ではなく、目標額に達しないことも多いのが実情です。
設定した以外の目的に資金を利用できない
「〇〇のビジネスをしたいので資金提供をお願いします」と約束したうえで資金提供を募るため、自由な用途に資金を用いることができない縛りが生じます。
時間がかかる
目標とするビジネス内容を公開し、賛同者を募って実際に資金を集めるにはかなり時間がかかります。
ケースにもよりますが少なくとも月単位で見る必要があり、十分な金額を調達するには一か月から半年程度は見積もる必要があるでしょう。
クラウドファンディングの始め方
クラウンドファンディングで資金提供を募る場合、通常はプラットフォームとなるサービスサイトに登録することになります。
サービスサイトは数多くあり利用条件も異なるので、最初にプラットフォーム選びに苦労することになるかもしれません。
プラットフォームに参加するには面談を要することもあり、一定の手数料の支払いが必要になることもあります。
他方で担当者が付き目標の設定から宣伝露出まで二人三脚でサポートしてもらえるところもあるなど、各サービスサイトによって使い勝手が異なるので熟慮が求められます。
サービスサイトに登録することができれば後は基本的に宣伝露出はプラットフォーム任せになり、目標金額が集まればプロジェクト(ビジネス)のスタート、集まらなければ返金となります。
プロジェクトをスタートした後は、資金の提供者に約束した見返り(商品やサービス、金銭等)を与え、満足を得てもらいます。
まとめ
本章ではクラウドファンディングがどのようなものか、基本的な仕組みやメリット、デメリットなどを見てきました。
返済不要の資金調達が可能な点で魅力があるものの、魅力的な事業でなければ多くの人からの賛同を得ることは難しく、実際の利用はなかなかハードルが高いものです。
それでも、社会的意義のあるものや地元への貢献度が高い事業内容であれば可能性はあるので、対象になりそうなビジネスを予定している方は検討してみては如何でしょうか?
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