企業を率いる経営者は自社が行うビジネスの実務には当然精通しているとしても、保有資産や資金の流れについては必ずしも詳細まで把握しているとは限りません。

資金繰りに問題があることが分かった時、放置すれば近い将来倒産の危機が訪れる可能性もあるので早急に対処が必要です。

本章では会社の資金繰りが厳しい時にやるべき対策について見ていきますので、ぜひ参考になさってください。

資金繰りが厳しくなった原因を探る

資金繰りが厳しくなった原因を探る

資金繰りが厳しいことが分かったら、普段細部まで意識を浸透させていない資金の流れについて、改めて問題点の把握に努める必要があります。

個別の企業やケースによって課題や問題点が違ってきますが、問題が起きやすい点についてざっと見ていきます。

支払いサイトに問題がある

取引先ごとに入金と支払いの時期、金額を並べてみて、支払いに窮する時期が定期的に訪れることがないか確認します。

もしあれば、その場しのぎの対応をしてもいずれまた窮する時期が訪れるので、根本から調整が必要です。

在庫が多い

製品の生産販売をする会社であれば、在庫が過剰になっていないかチェックします。

ある程度のストックは必要としても、多すぎる在庫は保管にかかる費用の垂れ流しで利益を圧迫します。

在庫の一掃整理や在庫に頼らない運営の検討も必要です。

過大な運営費がかかっている

人件費や設備費など、収入に比して見合わない運営費がかかっていないか精査します。

会社の規模が大きくなるほど、経営者は個別の部署の運営費について目が届かなくなります。

経理部がある場合は部署ごとの経費一覧を作らせても良いでしょうし、経理部が無ければ各部署から経費一覧を吸い上げて検討してみましょう。

取引先の質が悪い

上の①とも関連しますが、取引先の質が悪くいつも売掛金の支払いを遅らせる、あるいはこちらの支払いを急がせるなど勝手な要求をするような質の悪い取引先に踊らされているならば、他社への乗り換えを検討するなど今後の取引を見直すことも必要かもしれません。

経費削減に努める

経費削減に努める

どんな会社でもしっかり見直せばどこかに経費を削減できる個所が見つかるはずです。

原因調査によって過剰な設備や人件費が確認されたら、これを改善するための方策を考えます。

人材については外部委託とすることで大幅なコストカットにつながることがあります。

最近はスポット業務的な委託を請け負う会社が増えているので、こうしたサービスを上手に活用しましょう。

設備の過剰が見つかったら、必要に応じてリースへの切り替えなどの対応を考えます。

支出の優先順位を意識する

支出の優先順位を意識する

各社、各所から支払いや請求が回ってきた時、何も考えずにその都度応じているとしたら少し問題です。

支払にすぐに応じることはもちろん悪いことではありませんし、信用の低下を避けられるので余裕があるのであればそのままで大丈夫です。

しかし資金繰りが厳しいならば、自社の支払いに関して優先順位を付ける意識を持つようにしましょう。

企業に関する主な支払い項目を重要な物から順に挙げて見ます。

①手形や小切手の決済にかかる資金
②社員の給料
③買掛金の支払い
④家賃、水道光熱費
⑤税金、社会保険料
⑥金融機関から借入金返済

①の手形や小切手は最近は用いられることが少なくなっていますが、もし利用している場合は資金ショートにより倒産に直結するので、最優先で資金の融通が必要です。

最後尾の金融機関からの借入金の支払も遅らせるとマズいのは確かですが、上位項目に比べると致命傷となるリスクは多少下がります。

例えば家賃を支払ったために手形の決済ができず倒産の危機に瀕するといったことが起きないよう、優先順位を意識した支払いを検討しましょう。

資金調達を行う

資金調達を行う

資金の流出をできるだけ抑える一方、どうしても足りない資金は必要に応じて調達を考えます。

資金調達方法は数多くありますが、ここではメジャーなものをいくつか挙げて、それぞれのメリット・デメリットを確認します。

企業ごと、ケースごとに自社の実情に照らし、少しでも有利な方法で資金を確保できるようにしたいものです。

プロパー融資

プロパー融資とは特に外部からの保証を取り付けずに、銀行自らの責任と判断で行われる融資、貸し付けを言います。

金利負担が小さく、外部保証機関に支払う保証料がかからないというメリットがある一方、下の②と違い外部保証が無いので、銀行側は融資の可否判断が慎重になり、借り手側からするとハードルが高くなります。

また銀行融資は安全を最優先するため、借り手に保証人や担保の提供を求めることがほとんどですから、これに応じられる環境にないと利用できません。

そして銀行融資は審査から融資実行まで月単位でかかることも多く、迅速な資金調達は期待できません。

保証付き融資

担保や保証人の用意ができない、あるいは返済力を小さく見られてプロパー融資が望めない場合、信用保証協会の保証を付けることで銀行からの借り入れが可能になることもあります。

これは、銀行は万一返済がされない時に信用保証協会からの代位弁済を受けられるからです。

ただし保証協会に対する保証料の支払いが必要となることと、銀行だけでなく保証協会の審査にも合格する必要があるので、それなりの信用力が求められること、そして迅速性がさらに悪化するのが難点です。

ノンバンク融資

銀行のような預金業務を行わず、もっぱら融資業務に注力するのがノンバンクです。

ノンバンクで扱うビジネスローンは銀行の融資よりも柔軟で、第三者保証や担保の用意が無くともある程度の金額まで融資が望めます。

不動産などの担保が用意できればかなりまとまった資金の融通も可能です。

迅速性もあり、数日程度で融資の実行が望めますが、銀行と比べると金利が高くなるのがデメリットです。

ファクタリング

ファクタリングは上で見てきた融資や借り入れと違い、売掛債権を売却して現金化するものです。

法律上は債権の譲渡取引となり、自社が保有する債権を現金化するものですので、借り入れと異なり赤字が発生することはありません。

上で見てきた手法の中で最も迅速性があることと、仮に自社の信用状態が芳しくなくとも問題なく利用できる利点があります。

ファクタリングでは売掛先の信用が重視されるので、債権を譲渡する会社の信用状態はあまり重視されないのです。

税金の滞納があったり赤字状態でも利用可能なので、利用勝手はかなり良いと言えます。

弊社で扱うファクタリングは手数料の面でも業界最低水準ですから、多くのご利用者様に喜んでいただいております。

ファクタリングの利点については弊社サイト内でも紹介しておりますので参考になさってください。

事業の見直し・縮小を考える

事業の見直し・縮小を考える

人材や設備など投下した経費に対して見合った収益が上がっていない場合、その部署が扱う事業を縮小、整理したり、場合によっては部署の統合も考えた方が良いかもしれません。

収益が上がる分野に注力し、収益が上がらない分野は切り離すということです。

まとめ

まとめ

この回では会社の資金繰りが厳しい時にやるべき対策をいくつか見てきました。

経営者としては小手先の対応でなく、まず資金不足が起きる原因の追究をしておかなければなりません。

そして無駄な出費を極力抑え、目前で必要な資金については可能な方法で確保していくことが必要です。

弊社ではファクタリングを通じて迅速、確実な資金提供のお手伝いをさせて頂いておりますので、資金需要が生じた際にはお気軽にご相談頂ければと思います。