会社を立ち上げてある程度軌道に乗ってくると、同業の他社さんはどれくらい儲けているのか、向こうの社長さんはいくらくらいの年収なのか?と気になる人もいると思います。
勤め人の場合は業種や年齢によってある程度似通ってきますが、経営者の場合はそうした推測がなかなか難しいのが実際のところです。
個別に「あなたの年収はいくら?」と聞くわけにもいかないので、この回では中小企業の経営者の方がどれくらいの年収をもらっているのか探ってみることにします。
中小企業経営者の平均年収は?
中小企業経営者の平均年収をズバリ追った公的な統計というのは残念ながら確認できません。
そこでここでは公的な指標として、平成30年分の民間給与実態統計調査(国税庁)の指標を参考にしたいと思います。
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/07.pdf
この資料では国内株式会社における資本金の大きさ別に平均年収の統計がとられており、その中で役員の年収が確認できます。
社長も役員の一部ですので、ここでは役員の年収を経営者のそれと同視するとして見てみます。
資料を読み解くと、資本金の規模別に以下のような年収が見て取れます。
①資本金2000万円未満の企業の役員は年収605万円 ②資本金2000万円以上の企業の役員は年収850万5千円 ③資本金5000万円以上の企業の役員は年収1093万5千円 ④資本金1億円以上の企業の役員は年収1392万2千円 ⑤資本金10億円以上の企業の役員は年収1560万8千円 |
自社の規模を上の資本金の大きさに照らしてみてみると、平均を超えているかどうかが判断できます。
参考になれば幸いですが、実際にはこうした数字からの判断はあてにならないことが多いので、あまり気にする必要はないと思います。
実際の経営者報酬はピンキリ
上の項で見た平均年収について、ご自身の年収と比較して如何だったでしょうか?
「なかなか近いものがある」、「全然かけ離れてるんだけど・・」など、色んな声が聞こえてきそうですね。
実際、現場におられる経営者の方々は、勤め人の方のように勤続年数や職種などで区分けされることがないので、各社、各自の事情に応じて経営者の年収を決めていると思います。
自由に決められるので、経営者によって年収がばらつくのはむしろ当然と言えます。
税理士や社会保険労務士などと相談して、会社及び経営者個人の両建てで考えて、税金や社会保険料の負担が最も軽くなるように総合的に判断するところも多いでしょう。
また付加価値分配比率を意識して経営者の年収を考えるところもあると思います。
付加価値分配比率とは、社内の全ての人件費に対して、会社の儲けをどうやって分配するかという考え方です。
経営者あるいは役員と、現場で実務をこなす従業員とで会社の儲けをどのように分配するのかといった考え方です。
個別の会社によって具体的な決め方が異なるでしょうから、経営者の年収にも大きなズレが出るのは自然なことと言えます。
「他社社長さんの年収が気になる」気持ちは十分分かりますが、あまりに気にしない方が精神的にも負担が無いのではないでしょうか?
まとめ
この回では中小企業の経営者の方の年収について探ってみました。
ズバリの回答になったかどうかは分かりませんが、今回見た指標である程度の数字は把握できましたね。
ただ実際には企業によって経営者の年収設定が異なるので、多くの方が当てはまるとは限りません。
会社を盛り立てていけばおのずと年収も上がってくるはずですから、日本全体を盛り上げるためにも、一緒に頑張って参りましょう!
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